こうじマガジンNO.154(2007.7.20)  
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こうじマガジン NO.154


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「2007年7月1日から2007年7月10日までのダイアリー」



●●2007年07月01日●●

「『テロルの決算』 沢木 耕太郎著」

ある方から薦めていただいていた「テロルの決算」 沢木 耕太郎著を、
今日読み終えました。
1960年日比谷公会堂で行われた三党首演説会で、
社会党委員長 浅沼 稲次郎が刺殺された事件が題材で、
犯人の山口 二也(やまぐち おとや)を追ったノンフィクションです。
内容も面白かったので、5日あまりで読み終えました。
私自身は政治の世界に入って、社会党とはあまり縁がなかったわけですが、
浅沼委員長の政治生活を読み進むにつれ、興味を持ちました。

戦後、社会党は一度政権奪取に成功(片山 哲内閣)、
その後警職法事件や安保闘争を経て、
所得倍増論の池田内閣と対決するという歴史的に考えると
非常に大事な局面で、この事件を迎えています。
「不毛のイデオロギー論争」、「左右勢力の権力闘争」と
今では簡単に切り捨てられてしまいますが、
この当時の党内のエネルギー、
国家観、将来への明確なビジョンを示そうとする熱意は、
今の野党に全く欠けている部分ではないか、と痛感しました。
その後の歴史では、万年野党の社会党と、1990年代の政治改革の波のなかでは、
自民党を支える勢力と化してしまったわけですが、その分岐点に立っているのが
この事件ではないだろうか、とも感じています。
日本に二大政党は馴染まない、と言われますが、この当時の社会党には
政権への意欲と迫力がある、と思いました。
戦前の無産運動から始まって、弾圧、転向を経て、党内の左右対立の中を
吸収、分裂、裏切りを繰り返しながら、委員長に上り詰めていく
浅沼委員長の政治生活には、「歩き続ける」という点で、老練さの中にも、
輝いているものを感じました。

一方、17歳のテロリスト山口 二也は、その直線的な生き方に、
ある種の美しさを感じました。
私は、右翼という言葉はあまり好きではありません。
黒幕に使そうされた単なる右翼少年の犯行ではないという点に、
著者と同様興味を持ちました。
ターゲットの選定、犯行計画、実行に至るまで、
17歳の少年が一人で行った、という点は驚きでした。
現代は、「テロの時代」と言われています。
テロとは何か、それを防ぐ手立てがないのか、といった点からも、
この事件からは学ぶ必要があると思います。
大江健三郎が、「政治少年死す」(セブンティーン第二部)の中で、

「きみは森のなかの一人狼みたいに、
だんだんファナティックに、過激になって行くようだ、
きみは独りぽっちで自分のなかの気圧をあげている、
きみの躰のなかに永久運動の発電機と充電体とをしまいこんでいて、
きみはつねに自分の内部の電圧をあげるばかりだ、
そしてきみは自分をゴム布でくるんで
外部から絶縁しているから、電圧は無限にあがるばかりだ。
きみはほんとうに、もの凄いエネルギーで
月にむかって跳ぼうと身がまえる一人狼だ」
と山口 二也を描いています。
人生観は大義に生きること、崇拝している人物は、特攻隊の若い青年と、
取調べでは応えています。
右翼の活動にも絶望し、たった一人で実行すると言う点、
そして彼は、少年鑑別所で自殺することになります。
当初から、成功すれば、自らの命も絶つ、というふうに決めていた
と言われています。
この運命的な事件に考えさせられた一冊でした。



●●2007年07月02日●●

「6月定例会閉会日」

朝8時半から会派幹部会。
11時から会派総会。
その間断続的に幹部会を開きながら、
同時並行で、本日の会議順序を決める
議会運営委員会が開かれました。

知事不信任案に対する対応が焦点で、
ここ1週間、いろんな意見が会派内でも戦わされ、
いよいよ最終決断を迫られる場面になって、
いつになく緊張感を持って会議に臨みました。
私自身、この間ずいぶんと悩み、そして苦しみましたが、
知事不信任決議案には反対する、という判断をいたしました。
会派の結論も同様です。
私は、知事は辞職すべき、との考えは変わっていません。
ただ、自ら辞職する、という選択以外に、
現時点では、知事を辞めさせる手段はない という判断です。
全国的に見ても不信任案が可決されたケースというのは、
政策的な対立(長野県、徳島県の場合)と、
逮捕・起訴に発展するような汚職事件に限定されています。
今回の場合、捜査は既に終結、さらには我々県議会も
その真相解明には失敗した、
つまり、さらなる捜査につながるような指摘が
残念ながら出来なかった、ということもあります。
その理由は、真相が語られては困る政治勢力、
自民党議員会を中心に、元事務局長の証言を阻んだ経緯や、
一部議員による横領罪での告発といった混乱もあり、
手詰まりになったこともご承知の通りです。
現時点では、全てが疑惑の段階で、真実の立証はできていない、
「疑わしきは罰せず」という法治国家の大原則から見ても、
不信任がふさわしいのかどうか、考えさせられました。

もう一つは政治的・道義的責任をどうとるのか、という問題です。
知事も選挙で選ばれたわけですから、これこそ自ら身を処す以外にはなく、
疑惑の段階で断罪し、政治的・道義的責任を取って、
辞任せよ、という決議はふさわしいのか、これも考えさせられました。

最後に、不信任決議には、三分の二以上の出席で、
四分の三の賛成が必要と、高いハードルが規定されています。
私はこの決議を提出した側も、否決されることを見越していたのではないか、
と考えています。
知事自身の真相解明の道を自分たちの都合で阻んでおきながら、
不信任決議というのは、単なる政治的パフォーマンスではないのか、
と考えさせられました。

午後1時から開会。
冒頭審議された知事不信任案は、39(反対)対26で否決されました。
今回は、2度の辞職勧告に賛成した公明党も反対し、
賛成票は過半数にも達していません。
政治は結果責任という点から見ると、
知事に信任の口実を与えたという点で、この不信任案を提出し
賛成した側にも、大いに責任があると思います。
後味の良くない6月定例会でした。

今後は、9月議会で議論する予定ですが、
「政治と金」の問題の再発防止を目的とした
「政治倫理条例(仮称)」の議論が中心になってきます。



●●2007年07月03日●●

「参議院選挙」

朝8時から、旭町・出汐交差点にて街頭演説。

6月定例県議会も閉会し、マスコミ等から
参議院選挙の取材を受けることが多くなりました。
もっぱら広島選挙区の状況取材ですが、
与党過半数割れをかけた大勝負です。

私は、広島選挙区では、民主党の佐藤 こうじさんを
支援していますが、こと広島市内においては
情勢は混沌としている、と感じています。
定数2の全県選挙区というのは、県議選とは全く異なり、
ミクロな戦いはできません。
マクロの政治情勢や、いわゆる風向きによって、
大きく左右される選挙です。
一番大事なのは、知名度、次に手足の動き=運動量、
そして掛け算的に風向きが作用します。
年金問題が争点と言われていますが、
この問題はあまりに現実的過ぎて、
投票行動にそれほど結びつかないのではないかと思います。
また投票日を一週間ずらしたことでの影響も大きいと思います。
与党を過半数割れに追い込む、というのが目標ですが、
私も精一杯動いて参ります。



●●2007年07月04日●●

「あいさつ回り」

6月定例会閉会を受け、後援会、連合広島関係の
あいさつ回りを行いました。
知事不信任案への対応で、お叱りをいただいたり、
参議院選挙の情勢について意見交換したりで、
あっという間に時間が経ちました。

後援会組織の再編という課題も抱えており、
いろんなアドバイスをいただきました。
早い時期に立ち上げたいと思います。

夕方は自主トレ(マシン)。



●●2007年07月05日●●

「オールディーズ」

朝8時から、宇品ベイシティ前にて街頭演説。
午前中は事務所にて原稿書き。

2日の知事不信任案否決の件につきまして、
多くの皆さんからご意見を頂いています。
私自身は、しっかりとその判断の理由と経緯を説明する、
ことが大事だと考えています。
街頭演説でもそのことを訴えています。
参議院選挙公示まで、限られた時間ですが、しっかりと訴えて参ります。

夕方自主トレ(大芝水門コース)後、
夜は、この度の私の選挙でお世話になった方が、
飲食店を経営されており、今日はオールディーズのライブをやるので
是非寄って下さい、とお声がけいただきました。
オールディーズというと、エルビス・プレスリーに代表されるアメリカンロックで、
私たちとは一回り上の世代の文化ですが、私はノリもよく好きなほうです。
30分間の演奏でしたが、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。
音楽に合わせてうまく踊れるともっと楽しいんでしょうが。



●●2007年07月06日●●

「参議院選挙(2)」

午前中は市内のあいさつ回り。

午後からは県議会へ。
8月4日(土)にRCC文化センターで開催予定の勉強会、
「太平洋戦争の真実を学ぶ会 レイテ決戦から学ぶ教訓 
講師 樋口 晴彦 警察大学校主任教授」の打ち合わせや、
会派内の打ち合わせを断続的に行いました。

5時半からは、事務所で松本 大輔衆議院議員と
意見交換の後、夕食をともにしました。
参議院選挙のことや、県議会での政策問題等
幅広く議論しました。



●●2007年07月07日●●

「黄綬褒章 受章記念パーティ」

11時半から、エクステリア関連の企業を経営されている
瀬川 幸夫さんの「黄綬褒章 受章記念パーティ」
(全日空ホテル)に参加しました。
ご次男が防衛大学校の後輩で、現在は夢をかなえ、
日本航空のパイロットをしている関係で、
10年来のお付き合いをいただいています。
200名近い方々がご参加で、瀬川さんの業界での貢献や、
交友関係の広さを実感しました。
横浜に住んでいるご次男にも久しぶりにお会いでき、
新しい出会いもたくさんいただきました。
受賞を心からお慶びいたしますとともに、
このご縁に深く感謝した一日でした。



●●2007年07月08日●●

「隊友会 広島南支部総会」

11時から、隊友会 広島南支部総会に参加。
支部長を3月に交代して、新支部長による総会です。
10名のご参加でしたが、大変充実した
意見交換ができました。
こうした親睦組織の活性化には何が必要か、
非常に勉強になっています。

午後からは、「民主党 佐藤 こうじ」さんの応援で、
南区一円を街宣カーで回りました。
3ヵ所での街頭演説も行いました。



●●2007年07月09日●●

「オカモトアイランド 『グランブルー』」

朝8時から、宇品ジャスコ前での街頭演説。
10時からは、宇品海岸一丁目町内会の皆さんと、
地域課題についての意見交換会。
午後3時には、広島ガス訪問。
今後の政治活動等についてご相談いたしました。

そして夜8時からは、オカモトアイランド 「グランブルー」のライブへ。
宇品地区の町内会長をされている岡本さんのご子息が、
大学卒業後、京都を拠点に音楽活動をされていらっしゃるということで、
そのバンド「オカモトアイランド」のライブにお誘いいただきました。
京都発信のエレクトリック・ヒーリング・サウンドということで、
私は素晴らしいと感激しました。
ご子息は同世代になりますが、音楽という分野で、確実に成果を出し、
メッセージ性のある音を広く世に問うている、というのは
うらやましいかぎりです。
約一時間十分満喫してきました。



●●2007年07月10日●●

「太田川流域SGECネットワーク」

朝10時に、廿日市市の永本建設を訪問。
永本社長とは、掃除の会でご縁をいただき、
まじめなお人柄と、幅広い知識で、住宅建設部門において
ご活躍されている方です。
今日は、「太田川流域SGEC(Sustainable Green Ecosystem Council)
ネットワーク」についてお話いただきました。
これは、持続可能な森林管理を通じて、地域の木を使って
地域の家を造ることにより、ウッドマイルズ(木材を伐採し、最終消費するまでに、
かかっている輸送コストやそのエネルギーを削減することにより
CO2の排出を抑えることができるという考え方で、木材の地産地消につながる)
を削減しよう、という活動です。
日本財は品質が悪く割高と、輸入財に頼る傾向が続き、
日本財の値崩れが起こるという悪循環に陥っていますが、
このネットワークの考え方によると、国産材の最終消費までのコストも
大幅に削減でき、なおかつ計画的な伐採が可能となるため、
森林管理にも一役買える、ということになります。
広島県でも、昨年度は、森林環境税の導入議論や、
森林組合の経営状況についての問題、そして先日ご報告いたしました
広島県農林振興センターの森林整備事業の抱える問題等、
森林経営に関してはたくさんの課題を抱えています。
こうした問題への解決の第一歩になるのでは、とおおいに期待をいたしました。
当局のほうにもアプローチしていきたいと考えています。

午後は市内のあいさつ回り。

夜は自主トレ(マシン)。


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