こうじマガジンNO.40(2002.08.13)  

「ねぎ、トマト、いぐさ、牧場(前編)」

8月8日(木)と9日(金)にかけて、
農林委員会の県内視察に参加しました。
都市部に生活する私にとっては非常に新鮮な調査でした。

「広島県の食糧自給率は約4割で、この数字をいかに高めて、
同時に安全・安心な農業を一つの産業として育てていくか」、
このことが農林行政の大目標です。

まず高田郡(広島市北部に隣接、人口35000人)の
ねぎの水耕栽培を調査しました。
JAたかたは、農産物販売高が30億円(うち米は17.7億円)、
信用事業(銀行機能)の残高が586億円という規模です。

水耕栽培というのはウレタン(発砲スチロールのようなもの)に
ねぎの苗を植え込み、ハウスの中で水だけで育てるというもので、
無農薬が売りになります。
年8作が可能で、この技術は平成4年から
「クリーンカルチャーグループ」で
農業を目指す若者を中心に研究をはじめました。
平成4年に13トンであった生産高は、
平成13年には790トンと60倍になっています。
70%は契約栽培で、
生協や大型スーパーに出荷しています。

このねぎだけで販売高が4.5億円ということですから、
高田郡の主要作物に成長しています。
熱心な技術教育、集荷・製品化・出荷の共同事業化といった
努力があっての成功です。
それでも中国産のねぎにどう対抗するかという
大きな課題を抱えています。

次はトマト栽培の調査に神石郡豊松村に行きました。
福山市北部岡山県境に位置する人口2000人の村です。

個人的にトマトは大好きで、イタリア・スペイン料理の店では、
トマトはすし屋のたまごに匹敵する
大事な食材だと聞いたことがあります。
去年ロシア・東欧諸国に海外視察に行った際、
トマトが非常においしかったという印象があります。
広島県では佐伯郡能美町のキングトマトが大好きです。

訪問したのは「アグリパーク陽光(ひかり)の里とよまつ」です。
トマトは4月に植えて12月に出荷する作物で、
一日の気温差が味の決め手だそうです。
昭和58年にトマトで朝日農業賞を受賞したのがきっかけで、
平成6年から農業改善事業としてトマト団地事業に着手しています。

この事業は新規就農希望者を全国募集したというのもユニークです。
8組の希望者と4組のIターン組で現在は運営しています。
農業は始めてなわけですから、
その教育から大変なご苦労があったと思いますが、
都市部においても定年退職後のご夫婦や脱サラ希望者、
失業者等、農業に従事したいという声は良く聞きます。
中途半端な気持ちではやっていけない厳しさもあるでしょうが、
都市と農村の交流を通じてこうしたマンパワーは
生かせないものか考えていきます。

このトマト団地は売上3億円を目指していますが、
昨年は2.8億円で目標達成まであと一息です。


<主な行事>

8月8日(木)  農林委員会県内視察 福山市泊

8月9日(金)  農林委員会県内視察

8月10日(土) 宇品東盆踊り大会

8月11日(日) 午前中、事務所で書類整理

8月12日(月) 広島市内あいさつ廻り、夜幟町小学校同窓会

8月13日(火) 広島市内あいさつ廻り


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