こうじマガジンNO.28(2002.05.14) | |||
「水素燃料」 「水だけで自動車が走る。」こんな夢のような技術が 今開発されようとしています。 排ガス(Nox.Sox)の問題やCo2の排出による 地球温暖化の問題も この自動車の開発で一挙に解決されることでしょう。 4月22日(月)に広島大学総合科学部の 藤井 博信教授の研究室を訪問し、 「燃料電池用水素貯蔵技術の現状と将来展望」 のレクチャーを受けました。 水素をエネルギーとして利用するという試みは現在、 経済産業省のWE-NET (ニューサンシャイン計画)の中で行われています。 小学校の理科の実験で経験したように、 水を水素と酸素に分解するにはエネルギーがいりますが、 その逆を考えると、水素と空気中の酸素を結合、 燃焼させれば、エネルギーが取り出されることになります。 簡単な原理ですが、 これを自動車に応用する場合問題となるのは、 どうやってこの水素を蓄えるか、という点にあります。 そもそも爆発の危険が高いもので、 気体のままだと容積がかさむし、 液体水素となると低温で高圧力が必要となり これまた実用は不可能です。 そこで藤井教授が研究されているのは、 金属の分子間に水素を貯蔵しようとするもので、 「ナノテクノロジーを利用して、 人工的にナノ間隙サイトを導入する」という まさに「すきまの科学」です。 金属1kgに60gの水素が含まれる状態を 6wt%(ウエイトパーセント)と言いますが、 この状態以上の水素吸蔵と、 その水素を放出する温度が次に問題になりますが、 ラジエーター等の水でも対応できる 100℃以下を目指して研究を進めているそうです。 利用する金属は黒鉛・マグネシウム・パラジウムなどです。 この技術が開発されれば、 今までガソリンタンクとして組みこまれていた部分に この水素吸蔵金属タンクを組み込み、 バッテリーをつけてやれば、 4sの水素で500km走行できるそうです。 このタンクが現状では200kgから300kgするものが、 黒鉛を利用すれば3分の1に減量でき 実用化も可能となります。 この藤井教授の研究は、平成7〜9年度に 旧広島県先端技術共同研究センターの 大型プロジェクトとして進められ(研究費 約3.5億円)、 平成10年〜12年度には 県立西部工業技術センターで進められました (研究費 3360万円)。 昨年広島を訪れたGMの幹部もこの技術には着目し、 共同研究を持ちかけられたそうです。 燃料電池の開発が進んでくると こういった具体的な装置の技術が どれだけ進むかが勝負になってくるわけです。 藤井教授は実用化にはまだ5〜10年はかかるので 基礎研究をしっかりしたい、といわれております。 また技術的なさらなるブレイクスルーも 必要ということで、 営利企業との共同研究には慎重です。 こういった技術こそ 今後の広島県の産業を担う技術として 積極的に支えていく必要があると思いました。 <主な行事> 5月7日(火) 宇品海岸地区の交通規制に関する陳情を受ける。 5月8日(水) パワーウォーク開始。 一日50人に会うことを目標に継続していきます。 夜、「中庸の会」(有志の勉強会)で吉田町まで。 5月9日(木) 広島県企業局とコスト削減についての勉強会 5月10日(金) NPO法人 宇品共和国の方々と、 港の活性化についてブレーンストーミング 5月11日(土) 街頭ラリー 5月12日(日) 「看護の日」広島県大会式典参加。 |
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