こうじマガジンNO.23(2002.04.01)  

「知的クラスター創成事業」

 3月26日(火)広島県産業科学研究所
(東広島市、100億基金の運用益で運営、地域結集型共同研究事業)
を訪問しました。
3月11日の予算特別委員会で参考人として意見を述べられた
大熊内閣府政策統括官(科学技術担当)から、
技術開発の現場を是非見るように、とのアドバイスをいただき、
早速広島県の研究所を訪問いたしました。

ここでは、文部科学省の「知的クラスター創成事業」(10地域で実施)から6億円(5年間で30億円)の
補助金を受け研究を進めることになります。
知的クラスターとは、「大学等の公的研究機関を核とし、
地域内外から企業等が参画することによって
連鎖的に新事業や新規起業が創出される技術革新システム」のことをいいます。

私はこうした科学技術の専門家ではないので、
今まで敬遠しがちでしたが、
実は広島県の産業再生にとってこの新技術ほど重要な分野はありません。
少しでも理解をしておく必要があると感じました。
税金を使って技術開発を行うわけですから、
その成果は厳しくチェックしないといけませんし、
本来民間企業がある程度のリスクを考慮して
進めなければならない分野なわけですから、
必ず何らかの成果を上げることが求められます。

現在3つのプロジェクトが進行中ですが
(デジタルとアナログ技術の融合=岩田プロジェクト、
メタンから水素を抽出し、燃料電池に生かす研究)
今回は、組織再生プロジェクト=吉里プロジェクト(研究費 総額20億円)
のレクチャーを受けました。

このプロジェクトは人工肝臓、皮膚・毛髪の再生、コラーゲン開発の
3つの分野からなり、43名(医師5名を含む)の研究者が従事しています。
人工肝臓についてはネズミにヒトの肝細胞(1mgで10万個)を移植し、
その体の中で増殖させる(1億個)もので、
その肝臓を加工し、患者(病気や事故で肝細胞が必要)に
移植するというものです。
頭髪は既にアメリカで治療薬として展開中だそうです。
コラーゲンについてはカイコからヒト由来のコラーゲンを作るというもので、
まゆ1コから1mgのコラーゲンが抽出でき、
2005年4月には組替えコラーゲンを販売に移す予定を組んでいます。

ライフサイエンスについてのこういった技術開発は、
実用化の可能性が非常に高いなと感じました。
この成果が広島県の産業再生にどう結びつくのか、
特許等の権利関係の問題や、
実用化した場合の民間企業とのすみわけ等これからの課題もあります。
どれも世界最先端の技術だと
高い評価を受けている研究で、
将来の成果が楽しみな分野です。

広島県ではこういった技術にかなりの予算を割いて力を入れています。
今後はそれらの研究の現状や将来性を議員としてしっかり監視し、
成果が上がらなかったものについてはやはり総括が必要だと思います。
折に触れてこういった研究をこのマガジンで紹介していきたいと思います。

3月25日(月) 宇品ジャスコ前街頭演説 西村副知事送別会

3月26日(火) 広島県産業科学技術研究所(東広島市)訪問、
        吉里プロジェクトのレクチャー

3月27日(水) 潟潟−イン訪問、選挙について打ち合わせ

3月28日(木) LT会会員との打ち合わせ

3月29日(金) 葬儀(宇品 千暁寺)

3月30日(土) 体調崩す

3月31日(日) 事務所で書類整理


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