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こうじマガジン NO.865

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≪2024年06月08日から2024年06月11日までのダイアリー≫

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■□□■□□■□□■【 目 次 】 ■□□■□□■□□■

◇インドの核政策
◇第66回宇品東学区 敬老会
◇広島日印協会事務局打ち合わせ

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●●●2024年06月08日●●●


<インドの核政策>

2023年5月20日、G7サミット開催中の広島市
内、原爆ドームから南に500メートル余りの
元安川左岸緑地にガンジー像が設置され、
来日中のモディ首相出席のもと盛大に胸像
除幕式が行われた。
ガンジー像設置はインド側からの働きかけに
よるものだが、設置に至るまでにはいくつも
のハードルがあったと言う。

シビ・ジョージインド大使は、何度も広島に
足を運び松井市長と面談、手に汗をかきなが
らその説得に務めたという。
当初は平和公園内にという提案だったそうだ
が、さすがにそれは実現せず、紆余曲折の後
現在地に決定したという。
私も式典の2週間前ぐらいにご案内をいただ
いたが、まだ場所が未定とのことで、
セキュリティ上の問題かと考えていたが、
難交渉だったことが垣間見える。

設置されたガンジーの胸像は思った以上に
大きく、その色味も相まって存在感に圧倒される。
設置が難航した最大の理由は、インドの
核政策にあることは間違いない。
インドは核保有国であり現状のNPT体制に
加入していない。
隣国のパキスタン、イスラエルもNPTには
同様の非締約国だ。
「核廃絶を願う広島の思想と、インドの
核政策は相入れないのではないか」という
疑問も生じる。

サミット期間中首脳たちは平和記念資料館を
見学したが、その様子をSNSを使い世界に
発信、その感想を伝えたのは、インドの
モディ首相だけだった。
アメリカの顔色を見ることなく、被曝の実相
に触れ強いシンパシーを持ったことを伝えた
かったのではなかろうか。

ガンジー自身は、1947年1月30日凶弾に倒れ
ているのでその後のインドの核政策を知る由
もない。
ただその非暴力思想こそが、世界平和に貢献
し核廃絶にも繋がるということもできる。
それでも私たちはインドの核政策について
学んでおく必要があるし、そのことを踏まえ
てインドという国と接していく必要はある。
 
インドは独立後すぐに原子力の平和利用に
着手している。
しかし1962年に中印国境紛争でインドが敗北
、64年には中国が核実験を行うに及んで、
65年に「平和利用を目的とした核爆発研究」
に着手、74年地下核実験に成功する。
その間世界は核拡散防止条約の締結に向けて
動き出した。
そこでは中国を含めた5大国が核兵器保有国
として認められ、それ以外の国は非核保有国
として不拡散を義務付けられることになっていた。
しかし肝心の核兵器廃絶は単なる努力目標と
なり、このような「差別条約」は到底受け
入れられないとして、インドは加盟を拒否し
今日に至っている。

一方で核爆発実験の成功とミサイル核弾頭化
技術の間には大きな距離があり、いわゆる核
の兵器化は公然とは行わず、
「核のオプション政策」をとり続けた。
技術的にはいつでも兵器を製造できるが、
そこまではまだ行わないという曖昧戦略である。
しかしインドはインド人民党(BJP)
連合政権の共通政策に、「核政策を再検討し
て核兵器を導入するオプションを行使する」
と明記し、最終的に1998年5月に核実験を
行い、核兵器保有を宣言した。
その際にはCTBT(包括的核実験禁止条約)
をめぐる国際的な混乱があった。
国際社会はCTBTの発効条件としてインド、
パキスタンを含む44カ国がこれを批准する
ことを条件として圧力をかけてきたが、
インド国内では、明確に反対してCTBTを
ブロックすべきか、それとも単に署名しない
ことで引き延ばしを図るべきかという論争に
なったが、結果的には「核のオプション」を
行使することとなった。
その後は核実験は自主的に停止し、相手が
核兵器を使わない限り、核を使用しないと
する「先制不使用」の方針も掲げている。

こうしたインドの核保有に至る経緯を振り
返っていくと、核を保有する中国の脅威が
非常に大きいことがわかる。
中印国境での紛争は今でも絶えず、何千平方
キロに及ぶ領土を中国に譲らざるを得なかっ
た歴史がある。
また隣国パキスタンも中国の技術供与のもと
核を手にし、先制使用のオプションも否定
しておらず、緊張関係は続いている。
 
現在ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)
によると、インドが90~110の核兵器を保有
していると推計している。
またインドは国産の戦略弾道ミサイル原子力
潜水艦を4~6隻建造する計画で、初の原潜で
あるアリハントは2009年に進水、2016年に就役した。
2024年までに4隻が浸水の予定である。
モディ首相は核の三本柱(陸上発射、海洋
発射、空中発射)を完成させたことを強調している。
 
民生用の原子力協定については、2008年には
原子力供給国グループ(NSG)が、核不拡散
条約未加盟のインドについて特例として民生
用原子力協力を認めると決定したのを機に、
インドはアメリカやロシア、フランスを
はじめとして、次々と二国間協定を結んできた。
高度な技術を有し、メーカーが米仏などと
提携関係にある日本に対してもインドは
協定締結を強く望んできたが、2010年に
スタートした交渉は難航を極めた。
NPTにも入らない核保有国との原子力協力
には、唯一の被爆国として慎重な主張が
多かったためだ。
しかし2016年11月、日印原子力協定は締結される。
核をめぐる日印の連携は今後も深まっていく
と考えられる。

この稿の最後に、「広島への原爆投下を知っ
たガンジーは、それにどう反応し語ったか」
という大事な疑問について明らかにしたい。
このテーマについては、広島大学平和科学
研究センター兼任研究員の外川昌彦氏の論文
「マハトマ・ガンジーと原子爆弾―核抑止論
と非暴力運動の意味」で詳しく分析されている。
ガンジーが原子爆弾という新たな破壊兵器が
人類にもたらす意味を論じ、それが実戦で
使用されたことの歴史的な意味について触れ
たのは、1946年7月の論文「原子爆弾と
アヒンサー(不殺生、非暴力)においてである。
外川氏は原爆投下から1年余りの
このガンジーのためらいと沈黙に注目し、
「自己破滅を導く強力な兵器の出現に対して
、それまでの非暴力の理念が、それでもなお
人々に説得力を持つとガンジーが核心を得る
までに、要した時間の長さであった」とする。
「原子爆弾で一瞬にして壊滅した広島の報に
接した時のガンジーのその驚愕の深さを現す
もの」とも述べている。

最後にガンジーの論文の中から重要なメッセ
ージと思われる部分を抜粋しておきたい。
「原子爆弾が引き起こした最大の悲劇から
正しく引出される教訓は、ちょうど暴力が
対抗的な暴力によっては打ち破られないよう
に、原子爆弾も原子爆弾の対抗によって
滅ぼされることはないということである。
人類は非暴力によってのみ暴力から脱出し
なければならない。
憎しみは愛によってのみ克服される。
対抗的な憎しみは、ただ憎しみを深め、
その範囲を広げるだけである。
 

●●●2024年06月09日●●●


<第66回宇品東学区 敬老会>

朝から生憎の雨模様です。
今日は10時から宇品東女性会主催の敬老会に
出席しました。
出席された米寿の方々は10名、これからも
お元気で地域で過ごされることを祈念しました。
余興は以前ローカルニュースでも取り上げら
れた子ども日本舞踊塾の披露と、宇品中学校
吹奏楽部の演奏でした。
どちらも素晴らしい舞台でした。

午後からはこの度顧問を務めさせていただく
ことになりました千暁寺仏教壮年会の総会に
出席しました。
今後とも交流を深めていきたいと思っています。

 
  ●●●2024年06月11日●●●


<広島日印協会事務局打ち合わせ>

今日は午後から県議会にて広島日印協会の
打ち合わせでした。
5月20日の設立大会以降、野外イベントの
開催についてや7月16日に「ガンジーと戦後
80年目の平和運動」と題した講演会の
開催準備、さらには8月6日の平和式典に
ついて等懸案事項が積み重なっています。
それぞれ着実に進めて参ります。


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広島県議会議員(南区)
松下政経塾出身

中原 好治