こうじマガジンNO.261 (2010.2.17)  


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こうじマガジン NO.261

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「2010年2月2日から2010年2月7日までのダイアリー」



●●2010年2月2日●●


「予算ヒアリング(6)、宇品神田神社節分祭。」

今日は29日に行った知事への再要望3項目に関する回答を頂きました。
不十分な点もありますが、ほぼ答えていただいたという判断をし、
再々要望は見送りました。さらに私学助成の決定額や
福祉医療費の予算額等追加のヒアリングも行いました。
これでほぼ予算案が出揃ったといえます。
今度は2月定例県議会での議論に舞台は移っていきます。
政調活動が終了したからといって予算案に手放しで賛成
というわけでは当然ありません。予算案の細部にわたってこれから議論し、
賛否を決定していきます。「悪魔は細部に潜む」といわれる通り、
細かくチェックしていきたいと思います。

今日はさらに青少年の「自立援助ホーム」設立に
熱意を持って活動されている方とお会いしました。
しっかりと支援体制を組んでいこうと思います。

午後6時からは神田神社節分祭前夜祭に出席。
8時からは恒例の豆まきにも参加しました。


●●2010年2月4日●●


「一般質問の構想。」

17日に開会する2月定例県議会で一般質問の機会がありますので、
今日はその構想づくりにあてました。
日時は3月1日(月)午後1時からです。
今回は特に地域主権と地方議会改革、
広島市との連携等に焦点を絞っていこうと思います。

1月中はほぼ毎日新年会や旗開きが続きましたが、
2月に入って一段落し、夜の時間が有効に使えます。
しっかりと構想を練りたいと思います。


●●2010年2月5日●●


「公契約を考える講演会〜千葉県野田市における公契約条例を受けて〜。」

午前中は一般質問の構想を練るため、県議会において各課、
特に統計課の方々と議論しました。

午後3時からは「公契約を考える講演会
〜千葉県野田市における公契約条例を受けて〜」に出席しました
(広島県情報プラザ)。講師は千葉県野田市長の根本 崇さんと
弁護士の古川 景一さんでした。公契約条例というのは、
当該自治体が行う請負契約(委託契約や指定管理者まで
枠を広げるべきかどうかは課題)において受注者に対して、
賃金の最低額を確保する(この額を具体的にどう決定するかは課題)
だけでなく、法令等の遵守、労働者の福祉向上の努力義務を課す、
というものです(野田市公契約条例第2条及び3条)。

そしてその目的とするところは、適正な労働条件の確保により
業務の質の確保と公契約の社会的価値の向上を図り、
市民が豊かで安心して暮らせる地域社会の実現を目指す、
とされています(野田市公契約条例第1条)。

こうした考え方に対しては、賃金などの労働条件に関しては労働基準法、
さらには最低賃金法、その具体的なあり方については
労使間で自主的に決めるというのが原則であるとともに、
効率化とコスト縮減への方向性を損なうのではないか、
という反論も出ています。実際広島県議会でも、
最近では公契約法制定を国に求める意見書は不採択になっていますし、
鳩山政権でも国が法律で定めることについては消極的になっています
(昨年民主党は「公共工事事業者の適正な報酬確保に関する法案」
提出を準備)。だからこそ自治体で条例制定を、ということになるわけですが、
古川弁護士はその際の基本的な考え方を整理されました。

まず公共の役割、「財政」の基本的役割である
(1)資源再配分機能、(2)所得再配分機能、(3)景気安定化機能は、
市場原理に任せられない分野を補充し、歪みをただすこと
にその本質があるということです。公共工事や業務委託などを
市場原理任せにすることは、この財政の自己否定であり、
安くさえできればいいというものではなく、
受注者は市場原理でコスト削減を迫り買い叩く対象ではありません。

さらに公契約条例は、権力的規制ではなく、
官民契約の当事者の合意を媒介として政策を実現する「規整」だ
という考え方です。市場原理、個人の自由、営業の自由を
重視するアメリカでも、労働時間規制といった労働基準法的な適用は
違憲性が強く、立法化は困難だとされていますが、
公契約規整は、公権力の行使による規制ではなく、
受注者の合意を媒介とする自発的な契約上の約束であるため、
憲法違反、法律違反、行政裁量の逸脱・過剰規制等の問題は生じない
とされています。つまり契約自由の原則を貫いているということです。

講演会ではこの他公契約規整と最低賃金制度との相互関係や
条例当てはめの際の問題点などが注目する点でした。

大変重要な課題ですので、今後とも研究していきたいと思います。



●●2010年2月6日●●


「広島防衛大学校同窓会in呉市。」

朝6時に起床後早朝自主トレ(元宇品コース)。
この時期の早朝自主トレは0度近い寒さの中
しかも暗い中をスタートしますから、少しおっくうですが7
時前には東の空がオレンジ色にそまりだし、絵下山頂上辺りから
登る朝日が待ち遠しい感じで身が引き締まる思いと、
大自然の中で動いている自分と本当に感謝の気持ちで一杯になります。
行程は約10km、1時間かけてゆっくりと走ります。

午前中は事務作業にあて午後からは呉市に移動し、
広島防衛大学校同窓会に出席しました。総会の後、
講演会は陸13期の田所恒之輔先輩の「安芸国の歴史と伝統文化について」
でした。府中町で自ら田所明神社を運営されている先輩で、
大化の改新以来続く安芸国の政祭を司る家系だそうです。

その後は懇親会。年1回の同窓会総会ですが、行事としては
年2回のゴルフ、テニス、ハイキング、講演会と
同窓会としては活発な活動を行っています。

総会は隔年ごと広島市内と呉市で行うことになっています。
なぜ呉かはそこに海自総監部があるから、ということですが、
たのしみは現職の方々にもお会いできるという点にあります。
海自からは呉総監、幕僚長、練習艦隊司令官、群司令、
陸自からは第13旅団長も私服姿でお見えで、大いに盛り上がりました。

私は海29期生ですが、在学中にお世話になった先輩方と名刺交換すると
何と海将補です。同期からも既に陸将補は誕生していますが、
現実にこうして接すると驚いてしまいます。
当然ですが学生時代は将補というと雲の上の存在
というイメージだったからです。それだけ年をとった、ということですが、
私自身も責任ある年代にいるという自覚が必要です。
今年は残念ながら同期には会えませんでしたが、
こうしたつながりを今後とも大事にしていきたいと思います。



●●2010年2月7日●●


「 「暁の群像―豪商岩崎弥太郎の生涯 南條 範夫」(文春文庫)。」

今年のNHK大河ドラマは「龍馬伝」ですが、坂本龍馬の生涯を捉えるのに、
三菱の創始者岩崎弥太郎の視点を入れているのに
非常に興味を持って見ています。

先月たまたま本屋で「暁の群像―豪商岩崎弥太郎の生涯 南條 範夫」
を見つけ、岩崎弥太郎を知りたいという思いもあり読み始め、
先日読了しました。今でも残る三井、三菱、安田、住友
といった財閥系は、まさにこの明治維新の時期にその姿を明らかにしてきます。

坂本龍馬だけを視点に置くと、大政奉還までの政治的な動きに終始しますが、
実はその時から明治が始まって、資本主義体制の下で
国のかたちが造られていくのはその後の10年が非常に大事です。
明治4年の廃藩置県は国の統治機構を完全に変えましたし、
明治7年の台湾出兵、明治10年の西南戦争は
戦争特需を当時の日本にもたらしたといえます。
その時期にあらゆるチャンスを捉え、強引に引き寄せ
利益を得たのが岩崎弥太郎であり、他の財閥系もこうした動乱期に
その基盤を作ったといえます。岩崎は明治18年に50歳で亡くなりますが、
その10年後に日清戦争、そのまた9年後に日露戦争と
日本は歩んでいくことになります。「坂の上の雲」の時代です。

鳩山総理は昨年の政権交代を「静かな革命」と表現しましたが、
岩崎弥太郎の生きた時代と、今の時代と重ね合わせると統治機構の改革に4年、
さらには名実ともにそれが定着するまで10年かかっています。
現代版廃藩置県である地域主権もやはり4年ぐらいの時間が必要なのか、
その後の反動がおさまるまでには10年かかるのか、
いろいろ考えさせられる内容でした。ただこうした激動期には
大きな経済的なチャンスが生まれるもので、それをしっかりと手にしたのが
岩崎弥太郎だと言えます。現代版の岩崎弥太郎がもう既に日本のどこかで
着々と成長しているのかも知れません。




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