こうじマガジンNO.256 (2010.1.6)   


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こうじマガジン NO.256

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「2009年12月10日から2009年12月22日までのダイアリー」



●●2009年12月10日●●


「12月定例県議会開会。」

10時半からいよいよ12月定例県議会が開会しました。

湯崎新知事の所信表明の内容や提出議案につきましては
今後記述して参りますが、議場の空気、新知事の所信表明における論理構成、
執行部の知事に対する態度等私が感じたのは
「藤田知事当時と似ている」ということ、
つまり「あまり変わっていない」、
極論すると「役人ペースになってしまって
本質的な新知事のカラーが全く出せていない」ということです。

今から18年前私が初めて広島市議会に出させていただいた平成3年は、
平岡市長のスタートの年で、当時平岡市長が「セレモニーや事務打ち合わせに
忙殺されて、肝心の市政改革にじっくり取り組めない」
とこぼされていたのを思い出しました。結局平岡市政8年間は役人主導で、
市政全般さらに平和への取組においても
十分な成果を上げられなかったのではないか、と感じています。
巨大組織、しかも人中心の組織ですからその向いている方向を変える
ということは大変な努力が必要です。

私が捉えている藤田知事時代の最大の欠点は、
役人の書いた八方美人原稿の棒読み、
知事自身の理想や思想が全く語られなかった点にあります。
役人の筋書き通りで議論が全く深まっていかない、という限界がありました。
新知事になってこうした点を少しずつでも変えていくことが必要です。
議会との関係をどう考え、どう調整していくのかは県政上の最大のテーマです。

それぞれの自治体で異なる関係を持っています。
例えばこれから始まる予算編成の過程において議会との関わりをどうするのか、
会派ごとの予算要望にどう対応していくのか、
議員と執行部との接触すなわち癒着をどう排除していくのか、
といった問題は知事の強いリーダーシップを示さなければなりません。
仮にこのまま藤田知事時代と変わらぬスタイルで進んでいくとすると、
役人主導で、県民起点とは対極の裸の王様状態になっていくのではないか
と危惧しています。記者会見の様式を変えたり、
県庁の中に新しいチームを作ったり、事業仕分けを行ったり、
知事とは呼ばせないなど、新しい事にいくつか取り組まれておりますが
どれもパフォーマンスに類することに過ぎません。

本質的に県政をどう改革していくのか、今定例会で
しっかりその思想と理想を語っていただきたいと期待しているところです。

夜は県議会三会派(自民刷新会議・民主県政会・自民良政会)意見交換会。
先の補欠選挙でそれぞれの会派が1名ずつ増え、合計34名になりました。
定数66名で欠員1名ですから過半数を制する数になっています。



●●2009年12月11日●●


「全員委員会。」

10時半から全員委員会。今日は全国都道府県議会議長会から
在職10年以上表彰をいただきました。
平成11年当選の3期議員7名が受賞しました。
3期議員は当選時には14名いましたが、今は8名に減っています。
選挙の厳しさが身にしみます。

その後12月定例県議会に提出された補正予算案、議案の説明を受けました。
終了後はユニタール支援促進議員連盟で先日もご報告したメヒア所長の講演を
お聞きしました。午後からは民主党広島県連事務所において
要望陳情の受付を行いました。今日も複数の団体からの要望活動がありました。


●●2009年12月13日●●


「新知事所信表明の論理構成。」

先日このブログで「藤田知事当時と似ている」と表現しました
新知事所信表明の論理構成ですが、細かく見てみたいと思います。

まず第一点は大上段に構えた現状認識から始まる点です。
新知事の場合さすがに自らの原稿、言葉といった点は伝わってきますが、
あくまでも抽象論で議論をスタートする点は変わっていません。
視点を若者においている点、「ゆでガエル」とは逆の比喩を使っている点、
企業家精神を強調している点に私は注目していますが、どれも抽象論です。

第二に「行政運営の基本方針」も前知事時代とほとんど変わっていません。
県民起点、現場主義、市町との連携は前知事もよくおっしゃられましたし、
「議会との関係」も一般論で終始し、新知事側から目新しい変化を起こす
というメッセージは伝わってきません。

そして何といっても、基本的な考え方「5つの挑戦」ですが、
総花的でこれも前知事時代とほとんど変わっていません。
「瀬戸内 海の道一兆円構想」も目新しいのはネーミングだけで、
既に国土交通省や民間企業で取り組みは進んでいますので、
具体論に入らなければインパクトはありませんし、
既に設置した経営戦略会議、これから設置するとしている経済財政会議、
広島版産業革新機構も、知事自身の明確な目標がなければ
単に人の意見に振り回されるだけになってしまいますし、
こうした有識者で構成する会議で方向性を決定していく方式(審議会方式)は、
役人が最も得意とするやり方で、役人主導に陥る危険性がある
ことも意識しておかねばなりません。「選択と集中」という言葉だけが踊り、
具体論に入ると総花的、バラマキ、予算シーリングでしか
対応できなかった前知事時代とあまり変化がないと言わざるを得ません。

辛口の感想になってしまいましたが、「よかった、よかった」
と手放しで評価していては議員としての役割を放棄することになりますので、
私自身はあえて批判的に捉えています。

私は県という中間自治体では自己完結型の総合計画や長期計画
というのは必要ないと考えています。国や市町といった基礎自治体には
こうした自己完結型の総合計画や長期計画は必要不可欠ですので、
総花的になるのはある程度やむをえませんが、
県ではそうした配慮は必要ないのではないかと考えています。
県の役割というのは市町に対する補完性、国との緊密な連携、
そして最も大事なのは先進性です。政策にしっかりとアクセントを付けて、
思い切って実行していく姿勢が必要です。
どこかの時点で新知事にも大きく舵を切っていただきたい
と期待しているところです。



●●2009年12月14日●●


「民主党広島県連・地域主権委員会。」

朝8時から段原交差点にて街頭演説。今日は日差しもあり暖かく感じました。
10時からは民主党広島県連・地域主権委員会に出席。
自治体・各種団体からの要望陳情の取りまとめを行いました。
午後からも県議会にて打ち合わせが続き、夜は県連組織団体局の懇親会。


●●2009年12月15日●●


「一般質問1日目。」

朝9時から事務所にて来客対応。今日から一般質問です。
10時半から吉井 清介議員(自民刷新会議、尾道市)、
午後から芝 清議員(民主県政会、東広島市)、
松浦 幸男議員(自民会、尾道市)と続きました。
終了後は民主党広島県連にて打ち合わせ。


●●2009年12月16日●●


「一般質問二日目。」

午前中は城戸 常太議員(自民広志会、呉市)、
午後から田川 寿一議員(公明党、広島市西区)、
蔵本 健議員(つばさ、広島市佐伯区)と続きました。

終了後議院運営委員会、移動して民主党広島県連へ。
広島県市長会・町村会からの要望書を受け取りました。
行政刷新会議が行った事業仕分けの結果に関する要望でした。
続いて広島県漁港協会からの要望書を受け取りました。
こうした要望は、19日(土)の民主党広島県連・地域主権委員会で
精査した後、党本部幹事長室に上げていくことになります。


●●2009年12月17日●●


「一般質問三日目。」

午前中は森川 家忠議員(自民会、竹原市・豊田郡)、
午後から梶川 幸子議員(民主県政会、広島市安佐南区)、
平 浩介議員(自民刷新会議、福山市)と続きました。

終了後議会運営委員会理事会で、決議案・意見書の審議を行いました。
結果につきましては最終日に報告させていただきます。
夜はNPO法人の総会・忘年会。


●●2009年12月18日●●


「総務委員会。」

朝10時半から総務委員会。今日は知事提出議案のうち、
総務委員会に付託された議案に対する採決が行われます。
今回は湯崎知事が臨む最初の県議会であることが注目されましたが、
提出議案の中では県職員の給与及び議員報酬に関する議案が
最も注目されるというどうも居心地の悪い定例会です。

地方公務員の給与は民間の給与水準に合わせて中立的な行政委員会である
人事委員会の勧告に沿って決定されます。知事の給与や議員の報酬は、
地方公務員の給与表に準じて決められますが、
最終的には知事が任命する報酬審議会がその額を決定することとされています。
つまりお手盛りは許されない仕組みになっているわけですが、
今回の問題点は県の厳しい財政を考えて導入された
自主的給与カットをめぐって起きています。

広島県では過去10年以上にわたり財政再建のため職員の自主的給与カット
及び議員の自主的報酬カットを行ってきました。
10年間の財政効果は職員の自主的カットで630億円、
議員の場合一人当たり1400万円で約10億円となっています。
さらに職員の定数削減はこの10年で知事部局が1800人、教育委員会が2900人で
合計4700人、財政効果は数千億円に上ります。

全国的にもこれだけ厳しく人件費に切り込んでいる自治体はありません。
広島市にいたっては職員の自主的給与カットに最近踏み込みましたが、
議員報酬の自主的カットは話題にもなっていません。
新知事が就任して、財政再建に向けたこうした方法は
10年間も続けてきたんだからいったんリセットしよう、
という考え方には長期的に見れば私自身は賛成です。
職員のやる気に関わるとする「職員の士気」論にはにわかに同調しませんが、
前述した公務員の給与の決定方式から言っても
本来の姿にいったん戻すべきだと思います。

今回提出された条例案の正確な名称を言っても分かりづらいので、
簡単に問題となっている条例案を列記しますと、
職員の自主的給与カットをリセットする条例案
(財政効果は81億円で、具体的には給与額は上がります)、
人事委員会勧告に基づいて職員の給与額を下げる条例案
(財政効果は43億円で、具体的には給与額は下がります)、
職員の時短条例案(人事委員会の勧告にしたがって、
職員の勤務時間を15分間短縮することになります)の3本です。
いずれも賛成多数で可決しましたが、反対される議員もいらっしゃいました。

最終的には本会議で採決することになりますが、
議員報酬も含めて居心地の悪い議論が続いています。



●●2009年12月19日●●


「民主党広島県連・地域主権委員会。」

民主党広島県連・地域主権委員会で、
朝10時から夕方5時まで断続的に各種団体との懇談会を行いました。
夜は学生インターンOBOG会。


●●2009年12月21日●●


「会派総会。」

朝8時から旭町・出汐交差点にて街頭演説。今年一番の寒さでした。
今日は午後から市内の年末あいさつ回りを行い、
4時半から会派総会に出席しました。

明日の閉会日の打ち合わせと、来年度予算への要望活動について協議しました。
終了後は懇親会。


●●2009年12月22日●●


「12月定例県議会閉会日。」

朝9時半から議会運営委員会、10時から会派総会、
10時半から本会議とスムーズに進みました。
18日の総務委員会のブログでもご説明させていただきましたが、
今日は給与・報酬関連で2本の議員提出条例案が議題になりました。

県議2号議案は職員の自主的給与カット及び議員報酬の自主的カットを
平成23年度末まで延長するというもので、
県議第3号議案は議員報酬の自主的カットを知事提案に合わせて5%緩和する
というものです。県議2号議案は否決され、
前述した条例案と県議3号議案が可決されました。

その他の補正予算案、平成20年度広島県普通会計・企業会計決算認定、
決議案、意見書案6件も可決され、お昼前には全ての審議が終了し、
閉会しました。
さらに今日は午後1時から民主党広島県連・地域主権委員会に出席、
各種団体からの要望・陳情を審査しました。




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