こうじマガジンNO.188 (2008.6.18)  
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こうじマガジン NO.188

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「2008年6月8日から2008年6月13日までのダイアリー」



●●2008年6月8日●●


「産廃処分場勉強会。 」

朝から地域行事に参加した後、
10時過ぎから元宇品の
ベイサイドパレスマンションでの
産廃処分場勉強会に出席しました。
県議に初当選した平成11年の始め、
まだ選挙に没頭していた時期に、
決定的な手続きがおこなわれていた事業で、
県議になってから約10年間
関わっている大事な課題です。
「何で海の玄関にゴミ捨て場?」
という根本的な疑問を持ちながら、
住民の思いを常に代弁しようと頑張っています。

午後からは天気も良くなったので、
久しぶりに自主トレ(元宇品コース)。


●●2008年6月9日●●


「会派総会。」

朝8時から
旭町・出汐交差点にて街頭演説。
11時から県議会控室にて会派総会。
27日開会予定の6月定例県議会で、
提出予定の補正予算査定状況について
レクチャーを受けました。

その後、来客3件、
港湾関係の打ち合わせ2件と
あわただしく過ごしました。


●●2008年6月10日●●


「 「白鯨(モーヴィ・ディック)」 ハーマン・メルヴィルを読み終えました。 」


新潮文庫版上下巻で
約1300ページの大作でした。
なぜこの本を手に取ったかは、
既に5月22日のブログ「芸術の役割」で触れましたが、
英米文学史上に名を残す名作だけあって
(英文学科卒業の家内も知っていたのには驚きました)、
読後感は充実しています。

最後の一章は海のそばで、と思い、
昼食を一人でとりながら、
グランドプリンスホテル広島で
ゆっくりと読み終えました。

白鯨に片足をもぎとられ、
復讐に燃えるエイハブ船長は、
自ら放った銛が命中したにもかかわらず、
その鯨索に首を絡まれ、
「死刑囚を縊るトルコ人のおしの刑吏のように」
海中に消えていきます。
彼のピークォド号も、
船腹に穴をあけられ、
鯨油で一杯の船は
むなしく沈んでいきます。
ルイス・マンフォードの指摘通り、
「手段と方法においては正気だが、その目的は狂気」で、
「現代の壊滅的軍拡競争の本質」がそこに表現されており、
「冷静な叫びと嘆願に耳を傾けようとしない現代の支配者」
を象徴しているとされるエイハブ船長の、
壮絶な最期で物語は幕を閉じました。

現代社会を見る上で、
また今の政治を考える上で、
こうした切り口は非常に大事だと思います。

次は同じく5月22日のブログ「芸術の役割」で触れた通り、
夏目 漱石の「我輩は猫である」に挑戦します。



●●2008年6月11日●●


「介護保険施設。 」

朝9時に事務所に来客があり、
地域の安全確保や県政の課題、政局等
について意見交換。
昼からは県議会へ。
介護保険施設で
マネジメントを担当している方からの相談事項について、
担当課からレクチャーを受けました。

介護保険が導入されたのは2000年4月です。
既に8年が経過していますが、
その間さまざまな見直しが行われています。

まずは給付と負担の問題で、
当初1割の利用者負担が導入されたことで、
利用抑制が心配されましたが、
むしろ給付額が上昇し、
要介護認定の見直しや利用できるサービスのカット、
介護予防の促進を図る、
という方向に進んでいます。
サービスの質の問題は、
第三者評価制度がようやく定着しつつあり、
安定した質の高いサービス給付に向け、
いい方向に進んでいると思います。

三つ目には民間業者参入で、
サービス供給の量の確保についてですが、
大手業者コムスンの不正が明らかになりましたが、
収益第一の業者については
厳しく規制していく必要があります。

4つ目に、
今最も大きな課題だと思っていますが、
質の高い介護職員の確保の問題です。
介護報酬の設定が低いため、
介護職員の給与が他の職種に比べて低く、
せっかく志を持ってこの業種に入った若い人材が、
離れていってしまっている、
あるいはより高い給与を求めて
職場を転々としていくといった現象が、
現場の混乱を招いている、という課題です。

今回のご相談もこの点ですが、
施設や業者間での人材の引き抜き合戦が
過熱しているという実態です。
こうしたことは、
提供されるサービスの質にも影響しますし、
何といっても介護職自体のやりがい、
といったものを薄めていってしまう、
というマイナスの効果が非常に大きいと感じています。


「民間事業者の参入で、
サービス供給が飛躍的に増えれば、
受給者はサービスの選択が可能となり、
市場原理によって悪い業者は淘汰され、
いいサービスが安定的に市場に供給できるようになる」
というのが、導入当初の目論見でした。
しかし実際には、
他の業種と同じように、
大資本有利で少数の大きな業者が寡占状態を作り、
そもそも介護報酬自体が国で設定されているため、
収益重視で職員の待遇は一向に改善しないといった現状です。
施設についても、
より高収益が期待できる有料老人ホームが増え、
受ける介護サービスの質・量ともに、
ここでも格差が生まれてきています。
「社会全体でお年寄りを支える」という理念とは裏腹に、
冷徹な市場原理は、
目に見える格差を生んでいる実態がここにもあります。

2002年3月に
私は広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻を
無事修了しましたが、その時の修士論文は、
「介護保険制度の現状分析と改善策の提言
〜広島県における施設サービスの実態をふまえて」
というものでした。
約8年が経過して現状でどうなっているのか、
調査が必要だと感じています。



●●2008年6月12日●●


「スーツ。」

2年前から、
飲食のチェーン店を経営する友人の若手経営者が、
スーツの専門店を開くというので、
それからそこで仕立ててもらっています。
仕立てるといっても、
ターゲットは30代、40代のサラリーマン層ということで、
6〜8万円でつくってくれます。
仕事がら、土日も含めて、
ほとんどの時間をスーツで過ごしますので、
傷みも早いし4〜5着を着回しするようにしています。

今日は、夏用のブラックスーツ、
冠婚葬祭でも着られるものをと注文しました。
生地を選んで、細かいデザインも指定できますが、
良くわからないのでほとんどおまかせです。
すでに5〜6着つくっていますが、
今風のデザインで気にいっています。

最近はクールビズということで、
6月から9月はノーネクタイで過ごす
ということが定着してきていますが、
相手がスーツにネクタイで、こちらがクールビズという場合、
どうも申し訳ないような気がしてしまいます。
従って私自身は、
夏でもスーツにネクタイで過ごすことが多いので、
夏用スーツは大事なアイテムです。

仕立てには約3週間かかります。
どんなスーツができあがるのか、楽しみです。


●●2008年6月13日●●


「全日本海員組合 中・四国地方参与会及び中・四国旅客船航路対策懇談会。 」


朝9時に打ち合わせのため、西区井口明神の
山口 氏康広島・地方行政研究所理事長のご自宅へ。
10時半には県議会で、
広島大学の関係者の方々と打ち合わせ。

昼食後午後1時から、
南区宇品神田にある全日本海員組合 中・四国地方支部会館で、
「全日本海員組合 中・四国地方参与会
及び中・四国旅客船航路対策懇談会」に出席しました。

地方参与は、私を含め5名いらっしゃいます。
港湾管理権を持つ自治体である
愛媛県議、香川県議、呉市議の皆さんです。
中央からは、大内 教正副組合長が出席され、
旅客船航路の現状・問題点、存続と求める活動
について意見交換いたしました。

課題は3つで、
まずは燃料費の高騰による経営状況の悪化です。
船舶燃料油は、19年度比較で150%の値上がりで、
価格安定期と比較すると5倍近い値上がり(100円/リットル)で、
各社の決算でも、燃料費は経費の10%程度だったのが、
人件費と同程度(25%)にまで跳ね上がっているようです。

2つ目は、離島航路維持の問題で、
これは生活路線確保対策としても重要です。
最期は、本四連絡架橋との競合の問題です。
本四架橋の通行料が平成10年比較で約40%程度値下げされており、
競合する航路の維持を圧迫しているという問題です。
このことについては、昭和56年に「本四特別措置法」が制定され、
定期航路事業の再編成、事業者や離職者への措置が規定されています。
ところが、度重なる通行料の値下げが
事業者の経営を圧迫しているという問題意識です。
いずれも海員組合にとっては、
避けることのできない重要な課題です。

その後3時からは、
事業者側の代表(中国旅客船協会連合会や主要旅客船会社の代表者)
も交えての意見交換を行いました。
約2時間にわたっての議論で、
現状打開のための具体的対策として、

1.全体的な原油高騰対策の一環として、
各港湾の港湾使用料の減免あるいは低価格への設定を、
国及び関係自治体に要求していくこと、
2.離島航路の維持に関して、
過疎対策も含め「動く橋」(道路)として
さらなる補助を国及び関係自治体に要求してくこと、
3.本四連絡橋の通行料値下げを受け、
本四特措法に基づき、さらなる事業者措置を国に求めていくこと、
の3点を労使一体となって要望していくことを確認しました。

原油高騰の影響は、
予想以上にこの業界では深刻です。
何とか対策が実行されるよう頑張っていかなければなりません。




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