こうじマガジンNO.91(2004.2.27)  

「県費預託融資制度」

2月定例県議会は、
平成16年度の予算を審議する大事な議会ですが、
提出される議案の中には今年度(平成15年度)
2月補正予算案も含まれます。

議決された予算案は、
県議会の開会に合わせて6月、9月、
12月、2月に補正されることになります。

2月補正は、
国の公共事業認証結果を受けての減額補正
(公共事業等で5.6億円の減額)が中心ですが、
今回は預託融資が207億円の減額補正となっており、
今回はこの県費預託融資制度について
ご報告させていただきたいと思います。

この制度は、
「厳しい経営環境下にある中小企業の
経営の安定・基盤強化を図るために
必要な資金を供給し、金融の円滑化を
推進する」というものです。

直接融資を行う銀行に対して広島県が
年度当初に一定額を低利で預託し、
必要な場合は信用保証協会の保証をつけて、
銀行が預託額に上乗せして融資を行う
というもので、年度末にはこの預託金は
いったん引き上げることになっています。

今年度は442億円を預託し
(銀行の上乗せを含めた融資枠は2050億円)、
中小企業に融資を行いましたが、
15年度中の新規融資額は730億円で、
つなぎ融資も含めて1324億円しか
利用されなかったため、必要な預託額は
236億円で済んだということになります。

差額の207億円分が減額補正されている
わけですが、問題点は2点あります。

まず融資見込みが減少したという現実を
どう捉えるかという点です。
もう一点は、減額する207億円は
低利で銀行に預託したわけで、
普通に預金していれば稼げた利子分は、
県当局の見込み違いで、
県民に損害を与えているのではないか、
という点です。

1点目につきましては、
長引く景気の低迷で中小企業の設備投資意欲が
冷え込んでいるということと、
超低金利時代に0.01%程度の違いで
この制度の複雑な手続きは面倒だという
心理が働いていることが考えられます。

またこの制度はあくまでも
設備投資や経営改善のための融資であり、
倒産防止や資金繰りのための融資ではない
ということが大前提になります。
当然経営状況のチェックが融資の条件となりますし、
担保や保証人の設定も求められます。

ここで、この制度は使いにくいのではないか、
ニーズはあるが捉え切れていないのではないか、
という疑問が起こります。

そこで今年度は「無担保スピード保証融資」
という新規制度が導入されます。

これは、「県、信用保証協会、金融機関の
3者が連携し、中小企業の運転資金の無担保で
迅速な借入を支援」するというものです。

この制度は、預託金なしで、
金融機関にもリスクを分散したという点では
従来の私の主張(銀行はリスクをとるべきだ)
に合うものです。

県は2億円の債務負担行為
(貸し倒れの際に県が負担)を計上しています。
この制度で今年度どれくらい融資実績が伸びるのか、
注目していきます。

2点目につきましては、
銀行も含めてこの制度は非常に巧妙かつ複雑に
設計されておりますので、
さらに勉強が必要ですが、当局の見解は、
見込み違いでの差損は発生しないというものでした。
制度についてさらに勉強してまいります。

<主な行事>
2月21日(土) 事務所で書類整理 宇品体協ソフトバレー
2月22日(日) 長女・長男の通う幼稚園のおゆうぎ会
2月23日(月) 宇品ジャスコ前街頭演説 県・市合同政策勉強会
2月24日(火) 開会日 港湾整備勉強会
2月25日(水) 県議会全員委員会 公明支部会
2月26日(木) 三篠園訪問(安佐北区白木町) 預託融資制度勉強会
2月27日(金) メルマガ原稿作成

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