こうじマガジンNO.86(2004.1.15)  

「小児慢性特定疾患治療研究事業について」

子どもさんの難病、心臓や血液疾患、
ぜんそく等で苦しんでいるご両親たちが
連絡会を結成されておられます。

県では難病対策として
医療費の公費負担を行っていますが、
国のほうで制度改正の動きがあります。

一昨年からこの問題に連絡会の方々とともに
取組んでおりますが、今回はこの問題で
連絡会ニュースに掲載していただいた
私の原稿をご報告させていただきます。

『今年は小慢特制度にとって
大きな転機の年になると思います。
国のほうで児童福祉法の改正を行い、
この制度を法律上明確に位置付けるというものです。

現行の制度は予算の範囲でなら
政府の裁量でやれる補助金制度で、
昨今のように財政状況が悪化すると
カットされる可能性がありましたが、
法律に明記することで政府に
制度実施の義務が生じることになります。

ただ問題は自己負担の導入です。
いままで公費負担で無料だった制度が
一部自己負担を求められるということは、
明らかに制度の後退です。

それともう一点は、
公費負担の申請方法についてです。
自己負担が導入されると、
所得割の負担基準が定められることになります。
所得を明らかにする、という点で、
現在の病院申請という他県に比較して
広島県の進んでいる制度が、
本人申請に変わる可能性があります。

子どもさんの病気でただでさえ精神的にも
物理的にも余裕のないご両親にとって、
役所への申請事務で時間も手間も取られる
というのはやはり制度の後退を意味します。

そこでまず広島県の現状の制度を
確認しておきたいと思います。

平成14年度の広島県の対策費は3億792万円で、
10の特定疾患に認定され公費負担を
受けられている方は、3,840人に上ります。
うち国の負担が1億1039万円で、
県負担は1億9753万円となっています。
これには政令市である広島市は含まれておりませんので
それを加えますと、対策費が約6億円、
対象者数は約7000人ということになります。

大きく見ますと国の福祉制度の改革は、
介護保険制度に見られる通り、
自己負担や利用者負担(保険料)を導入し、
広く薄く制度の対象を広げることにより、
公費負担(税金の投入分)を軽くしていく、
という方向にあります。

小慢特の制度もまさにこの方向にあり、
所得割の応能負担という考え方で
ごまかそうとしているのではないかと思います。

私は、本来こうした制度は
公費でまかなわれるのが当然だと考えておりますし、
政府は少子化対策が緊急課題と表明しているわけで、
出産のリスクを低下させるこうした制度は
さらに充実させるべきだと思います。

国がだめなら、地方分権の時代ですから
県で何とかできないものか、
と一昨年来県議会で質問を繰り返して参りました。
このニュースでも取り上げていただきました通り、
「児童の健全な育成を支援する観点から、
本事業は大変重要なものでございますので、
今後とも積極的に取組んで参りたい」
と当局は答弁しております。

昨年12月24日には連絡会の皆さまと、
新木 一弘福祉保健部長に直接陳情いたしましたが、
同様のお答えを頂いております。

しかし、現実的には自己負担の軽減、
病院申請方式の維持という連絡会の皆さまの思いを
広島県独自で実現していくためには、
まだまだハードルは高いと感じています。

広島市とも連携して、実現に向け知恵を出していきたいと
新たに決意いたしております。
今後ともよろしくお願いいたします。』

<主な行事>
1月9日(金) 平成16年度予算ヒアリング
1月10日(土) 元宇品自主トレ、宇品体協ソフトバレー
1月11日(日) 宇品東社協 とんど祭り
1月12日(月) 事務所で書類整理
1月13日(火) 皆実町6丁目街頭演説、予算要望について会派会議
1月14日(水) 「鳥インフルエンザ」について知事に緊急要望、宇品詩吟の会新年会
1月15日(木) メルマガ原稿作成、あいさつまわり

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