こうじマガジンNO.75(2003.9.19)  


「決定とは何か(2)」


今回は、
こうじマガジンNo.74「決定とは何か」に続き、
広島高速道路整備計画について、
「橋かトンネルか」で広島県と広島市の対立がある、
広島高速3号線(広島南道路)の
太田川渡河部の工法について報告します。

この問題では、
昨年11月に広島西飛行場の
1800m滑走路の機能維持を求める広島市が
トンネル方式を主張しています。
橋りょう方式にすると1800m滑走路が維持できなくなり、
海側への沖出しが必要となります。

どちらの工法を採用するかは
整備費用に大きく関わってきます。

南道路は有料道路4車線と一般街路部(無料)4車線の
計8車線での整備が進められてきました。
当初の試算によると沈埋トンネル方式の場合、
この8車線同時完成までの事業費は約930億円、
工事期間は約8年となっています。
これが橋りょう方式だと事業費280億円、
工期は7年(都市計画変更手続き期間2年)となります。
ただ飛行場の沖出し工事に300億円が必要となります。

広島市はこれに対し、
有料道路4車線の先行整備を行う案を示しています
(事業費約490億円、工事期間7年)。
一方、
有料道路4車線先行整備で橋りょう方式だとすると、
210億円(工期7年)となります。
どの工法を採用するかで
最大200億円の差が出てくることになります。

問題はこの工法を誰がいつ決定するのか、
ということです。
広島高速道路公社の事業でありますから、
理事長が責任を持って決断するのかと考えられますが、
公社の運営に関しては
「公社の運営に関する重要事項を協議し、
公社の事業の適正かつ能率的な推進を図る」ため、
広島高速道路公社運営会議なるものが設置されています。

この会議の会長は知事、
委員には市長、中国地方整備局長、商工会議所会頭、
高速道路公社理事長がなっています。
つまり知事を長とする5人の合議体で
決定されるということになります。

飛行場機能を維持したい市長、
それを支持する商工会議所会頭はトンネル方式、
コスト削減を意識する知事は
橋りょう方式ということになります。
あとの二人は国土交通省の役人です。

ここで重要なことは、
この工法の決定については県議会においても、
市議会においても議決するチャンスがない、
ということです。
前述したように議決の必要な整備計画には、
事業費の額と道路の構造規格だけです。

私はせめて、
年末に整備計画の見直し案が示されるときには
この工法の決定はおこなわれていなければならないと
考えています。
事業費3600億円の枠内で操作すればすむことだ、
とこの工法決定を先延ばしすることは
許されないと考えています。

巧妙な方法で議会のチェックを逃れ、
膨大な事業費を投入する高速道路事業は
今後もしっかりと監視していかなければなりません。

<主な行事>
9月8日(月) 段原交差点街頭演説、インターン生とルイス・マンフォードの勉強会、
         議会運営についての打ち合わせ
9月9日(火) 港湾整備についての勉強会、障害者福祉勉強会
9月10日(水) 似島へ、似島学園訪問
9月11日(木) 広島市議会へ
9月12日(金) 会派会議、9月補正予算についての勉強会
9月13日(土) WAAPで自主トレ、修道中高同窓大会
9月14日(日) 宇品東学区町民大運動会、宇品詩吟の会
9月16日(火) 旭町街頭演説、生活福祉保健委員会、分権改革特別委員会、
         インターン生とルイス・マンフォード勉強会、一家言の会・そうじの会
         合同の懇親会
9月17日(水) 9月定例県議会開会日
9月18日(木) 朝起き会大会、全員委員会、当選2回の会


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