こうじマガジンNO82.(2003.12.11)  

「長期総合計画」

「百年の大計を持った政治家を育てたい」というのが、
松下幸之助氏が松下政経塾を創立した際の夢でした。

この度普通会計決算特別委員会の
審査を通じて感じたことは、
行政は単年度主義で運営されているけれども、
その施策の大半は単年度では成果が
図れないものであるということです。

広島県では、
藤田知事が平成5年に就任して2年後の平成7年に、
平成17年度を目標とする第四次長期総合計画
「ひろしま・新たなる躍進へのプログラム」
を策定しています。百年まではいきませんが、
10年計画を打ち出しています。

またちょうど中間にあたる平成12年には
計画を補完するための
「県政中期ビジョン・ひろしま夢未来宣言」
を策定しています。

そして今回、その総仕上げとして第4期実施計画
(平成16年度〜平成17年度)の骨子が出てきました。
今回のメルマガではこの長期計画を
チェックしてみたいと思います。

平成12年の県政中期ビジョンの特徴は、
政策評価の視点つまり数値目標の設定と
現状を数値で評価したという点にあります。
広島県の膨大な施策を140本に整理し、
400の点検項目を設定しています。

例えば、最重点5分野(産業再生・教育改革・
子育て支援・環境創造・分権推進)のうちの
1つである環境創造について見て見ますと、
施策は2本、@循環型社会システムの構築、
A美しい自然環境の保全と活用です。
そのための点検項目は8項目ということになります。

2つほど例を上げてみますと、産業廃棄物最終処分量は、
平成12年で年間129万tですが、
平成18年度には76万tに減少させるというもので、
達成状況はC、目標年度までに達成可能となっています。

次に海域の水質環境基準達成率(COD)は、
平成17年度の目標値を100とした場合、
平成13年度は43%で、達成状況はD、
現状のままでは達成困難となっています。

問題点はまず、この140本の施策と
400の点検項目が達成されれば、
本当に知事のいう「元気な広島県」が実現するのか、
という問題があります。
この10年で広島県は元気になったのか、
私はノーだと思っています。
今までの施策の失敗点を総括し、
新しい目標を立てるべきです。

第二に、都道府県の長期計画の場合、
その策定において議会の議決は必要ありません。
市町村の長期計画は議決が必要ですが、
県の長期計画は市町村の長期計画を縛ってはならない、
という考え方のようですが、
手続き的には議決がないということは、
知事の個人的な思いに過ぎないということになります。

そもそも県を市町村の集合体と考えれば、
県独自の長期計画などありえない、ということになります。
分権時代の県の役割とは何か、を考える時期にきています。

先日元広島県知事竹下 虎之助氏が、
県議会分権改革特別委員会で参考人として
「新しい地方自治の時代へ」というテーマで
県政を論じられました。

その中で県の役割について、
「県には用水の確保・配分などの広域性、
複数市町村にわたる基盤整備などの補完性、
環境・消費者行政などでの先導性」の3つをあげられ、
「県の施策は、市町村が処理できないことに
絞るべきだ」と主張されました。

長期計画のあり方自体から、
県政をチェックしていかなければならないと感じています。

<主な行事>
12月2日(火) 広島ガス労働組合等企業挨拶廻り
12月3日(水) 生活福祉保健委員会、12月定例会提出議案の説明、
         広島市で福祉施策勉強会
12月4日(木) 12月定例県議会開会日、松下電器産業商品展示会へ
12月5日(金) 全員委員会、分権改革推進特別委員会
         (参考人に竹下 虎之助元広島県知事を迎えて)
12月6日(土) 市民生活原稿作成、宇品体協ソフトバレー
12月7日(日) 広島市心身障害者センター(東区光町)開所20周年記念祭へ
12月8日(月) 皆実町六丁目街頭演説、メルマガ原稿作成
12月9日(火) 一般質問 砂原 克規(広島市西区)、松岡 宏道(深安郡)、
         田川 寿一(広島市西区)
12月10日(水) ドットジェイピー取材、一般質問 高橋 雅洋(安芸郡)、
         河井 案里(広島市安佐南区)、川上 征矢(福山市)、
         4会派交流会、保護司懇親会
12月11日(木) 一般質問 天満 祥典(三原市)、林 正夫(広島市中区)、
         安井 裕典(佐伯郡)、城戸 常太(安芸郡)


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