こうじマガジンNO.53(2002.12.13)  
「林野火災」

先日12月3日(火)、
尾道市吉和町鳴滝山で山火事がありました。
向島の対岸、海に迫るあたりでしたので、
避難勧告4世帯(尾道市)、自主避難2世帯(三原市)、
最終的な焼損面積は20haでした。

4日にかけて雨が降ったので延焼が防げたというのが
一般的な見方です。
出島地区廃棄物処分場が18haですから、
かなりの広さです。
森林には、木材等の供給・県土の保全・
水源かん養・地球温暖化の防止といった
多面的な機能があります。

広島県は森林県でもあり、
61万haの森林を擁しています
(うち国有林を含む公有林が10万ha)。
これらの森林をどう維持し、
機能を発揮させるかは県行政にとって重要な課題です。

造林推進のための造林補助事業は、
46億円の事業費(平成13年度)で、
人工造林が1.2万ha行われています。

また林業生産基盤の整備として、
林道・作業道の整備が事業費82.1億円で進められています。
一方今回のような林野火災で、
毎年平均して約200haの森林が焼失しています。
森林全体の0.03%、造林面積の1.7%に当たります。

1年間で見てみますと、
田植え前に農家があぜ焼き
(雑草や害虫駆除のため田のあぜ道部分を焼く)
を行う2〜4月と、
行楽シーズンでタバコの不始末が原因となる
8〜10月がピークとなっており、
年平均で約210件の山火事が発生しています。

火災の原因から見ると人災といった面が強い林野火災ですが、
どう予防していくのか、という観点と、
被害を最小限に防ぐという観点が行政の課題といえます。

予防という点では、広島県は先進的です。
県内8ヶ所ある観測ステーションからの
「林野火災予防情報」を、
気象予報士による県民への呼びかけ(NHK)や、
県庁・関係機関への情報発信に利用しています。

山林乾燥情報や乾燥注意報といった形で、
県民に呼びかけることにより
予防につなげようということですが、
実際平成12年にこのシステムが導入されてから、
火災件数は減少しています。

ただ今年度は少雨で山林が乾燥した状態が続いており、
件数・焼損面積ともに大幅に増加しております。
広島県は尾道市周辺が最も乾燥し、
同心円状に乾燥度が低下していきます。

さらに山火事警戒のキャンペーンなどを通じて
啓発するなど対策を行っています。
次に、被害を最小限に抑えるということですが、
今回の尾道市の林野火災の場合、
出火した3日には
広島県防災ヘリコプター1機のみの出動で、
翌日になって広島市消防ヘリコプター1機が出動し、
2機態勢で消火にあたっています。

その他消防車両78台、
718人が3日には消火活動を実施しています。
初期消火ということでは
ヘリコプターの出動が重要になると思いますが、
林野火災発生時に初期消火・消火活動を
どう進めていくのか
適切なマニュアルが必要だと感じています。

林野火災に詳しい林務総室と危機管理室で、
こうした危機管理マニュアルの作成について
進めていくよう監視して参ります。


<主な行事>

12月3日(火) パワーウォーク 丹那。
        公明支部会(宇品)

12月4日(水) 農林委員会。
        藤原 直哉先生講演会。

12月5日(木) 全員委員会。
        NTTファシリティーズパーティ(リーガロイヤルホテル)

12月6日(金) 12月定例県議会開会日

12月7日(土) 広島掃除に学ぶ会(戸坂中)。
        宇品老人クラブ(親和会)忘年会。
        ベイサイドパレス忘年会

12月8日(日) 広島市心身障害者福祉センター文化祭

12月9日(月) 保護司研修会・忘年会。

12月10日(火) 一般質問 藤井 正巳(神石郡)、
        蒲原 敏博(広島市東区)

12月11日(水) 一般質問 田辺 直史(福山市)、
        松井 直資(廿日市市)

   (※パワーウォークとして、一日50人の方にお会いすることを目標に
   南区を訪問して歩いています。)

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